球根の種類
球根には植物を生育させて開花させる養分がたくさん蓄えられています。そのため生育途中の管理が簡単にできるのも魅力のひとつといえそうです。
球根植物は球根の形態によって次のように分けられます。
鱗茎(りんけい)
地下茎の一種で、葉が養分を貯えて多肉となり、茎は平たく短く縮んだもの。玉ねぎも鱗茎で、二つに割ると中心部に葉や茎があり、鱗片が取り巻いているのがわかります。
チューリップ・ユリ・ヒヤシンス・ヒガンバナなど
球茎(きゅうけい)
地下茎の一種で鱗茎に似ていますが、茎がそのまま肥大して球形になったものです。頂部から芽を出しています。
フリージア・グラジオラス・クロッカス・アヤメなど
根茎(こんけい)
横に伸びた地下茎が肥大したものです。
ジンジャー・カンナ・サンダーソニアなど
塊茎(かいけい)
地下茎が肥大化して球状になったもので、薄皮に包まれていないもの。野菜ではジャガイモが塊茎です。
アネモネ・シクラメン・ベゴニアなど
塊根(かいこん)
根が養分をたくわえて肥大したものです。野菜ではサツマイモが塊根です。
ダリア・ラナンキュラスなど
球根の植え付け時期
春植え球根
冬の寒さに弱いので、3月~5月頃の霜が降りない時期になってから植えつけ、開花時期は7~8月になります。
ダリアやグラジオラスは7月に入ってからでも植え付けることができ、秋に花が咲きます。
球根は11月~12月に堀り上げておきます。
ダリア・グラジオラス・カンナ・カラー・アマリリスなど
夏植え球根
7月~8月に植えつけて9月~10月に花を咲かせます。
開花後に葉が伸びて、春の間に球根が生育します。
ヒガンバナ・コルチカム・オキザリス・スノーフレーク・ネリネなど
秋植え球根
植え付けは10月から遅くても11月中です。15℃前後が植え付けに最適の気温です。花芽を冬の寒さにさらすことにより、よく育つからです。低温にさらすことができないときには、花が咲かないこともあるので注意しましょう。温暖な地域は、球根を4~6週間ほど冷蔵庫に入れて保存すると、花が咲きやすくなります。
開花するのは翌年の3月~4月になります。
チューリップ・スイセン・ヒヤシンス・ユリ・アネモネ・アイリス・クロッカス・フリージア・ムスカリなど
球根の選び方
球根を選ぶポイントは、キズや斑点がなく外観がきれいであることが第一です。キズがあると、そこから腐ったり病原体が入って花が咲かなくなったりすることがあります。また、斑点があると病気の兆候だったりすることがあります。
球根の大きさは、大きいものが大輪の花を咲かせるとは限りません。球根をさわってみてブヨブヨしていたり、やわらかかったり、形がいびつでデコボコしているものは避けましょう。
さわってみて固太りして締まっているもの、重みがあるもの、表面がきれいでキズや斑点がないものを選ぶようにしましょう。
よい球根を選ぶには
- 球根の薄皮にツヤがあり、ふっくらとしているもの。
- かたくしまっていて、重みがあるもの。
- 大きなキズや破損がないもの。
- カビが生えていたり斑点がないもの。
球根を選ぶのに避けたほうがいいものは
- 表面に斑点があるもの・・斑点があると病気にかかっていることがあります。
- 表面にキズがあるもの・・キズのところから病原菌が入って花が咲かなかったり、腐ったりすることがあります。
- 球根がブヨブヨしてふくらんでいるもの・・中が腐っていることがあります。
- やわらかく、デコボコしているもの